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誰もが運命の人と結ばれる鍵を持っている!猫仙人とバリキャリ明美のスピリチュアルレッスン12

明美が自分の幸せを取り戻していく過程を通して

「自分を愛すること」

「自分を見つめること」

というのはどんなことなのか、少しでも身近に感じていただけたらなと思っています^^

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猫仙人

明美は塩水につけておいたアサリの水を切り、お味噌汁をつくっています。

ルナと自分の分のお惣菜を器に盛り、お魚を焼き始めました。

「料理なんて久しぶりだわー、、、うまくできるかしら???」

とほん○しを握りしめ、お味噌汁を作ることとお魚を焼くことが上手にできるかとても心配している明美です。

「ちょっとだけカマスの皮がはぐれてしまったけど、うんうんうまくできた!!」と独り言をいいながら、お気に入りの和食器に魚をのせ、食卓にならべました。

「ルナはまだ寝ているのかな?」と思いながらソファに行くと、アンモナイトのように丸~~~くなっていましたが、うっすらと目を開けています。

「ルナ、ご飯食べる??」というと、ゆっくりと身体を起こしながら、本物の猫のように舌で全身のグルーミングを丁寧にし始めました。

「ご飯冷めちゃうよ!」と明美が言うと、チラッと明美をみました。

そしてプィっと顔をテーブルのある方向に向けると、お尻をフリフリして歩いていったと思ったら、テーブルに飛び乗ります。

ツンデレ女王復活のようです、、、。

「ちょ、ちょっと!なんで猫のまんまなの?!」と明美がびっくりしながら言うと、

「今日は疲れているから、この姿のまんまでいるわ」とルナ。

「・・・・・そうなの??わかったけど、ご飯どうする??」という言葉に

「今は猫だから人間のものは食べれないわ、カマスだけ頂戴!」

とカマスの匂いをクンクン嗅ぎながら、出来立てのその香しい匂いに目を細め、うっとりとしています。

「まぁ、、、、いいけど、、、じゃぁいただきますだよね?、、、」と明美が言うと、ルナはカマスにかぶりつきました。

ガシガシ食べるのでテーブルの上にカマスの身が細かく散乱します。

「猫って食べ方汚いんだよね・・・、ルナは半分人間のくせに、やっぱり猫なんだ・・・」

と昔飼っていたタマという猫を思い浮かべながらルナをみていました。

するとルナの動きがピタっと止まり、明美の顔をじっと見つめます。

「なっ何??(汚いって言ったことわかったのかな?!)」

明美がドキドキしながら聞くと、「背骨が取れない!!!」と一言。

「あっ、、、ごめん、、、(よかった~~~)」とさい箸で背骨や細かい骨をとりルナに渡すと、またガシガシ食べ始めました。

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

明美はルナをじっとみつめながら、ちょっと緊張した面持で口を開くと

「ねぇルナ、どうしてルナは話せるの??」

「どうして半分人間なの??」

「あなた一体誰なの??」

「どうしてここにいるの??」

「それに私が会社早退したことをなんで知っているの??」

と今までの疑問を一気にルナにぶつけました。

そんな明美をルナはちょっと顔をあげ見ると、すぐにまた無言のまま、ガシガシとカマスをさらにスピードを速めながら食べ始めました。

(はぁ・・・やっぱり答えてくれないか・・・)

「明美、お水頂戴!!」

すっごい満足そうな顔で口の周りを舌でなめながらいいます。

カマスを食べる勢いそのままで一心不乱に水を飲み一息つくと、ルナが話し始めました。

ルナ:「ねぇ明美、猫又って知っている??」

明美:「えぇと確か、長生きした猫がしっぽが割れて、妖怪になったことを言うんだよね??」

ルナ:「そうね、ウィキペディアではそう書かれているわよね。」

ルナ:「でもあれは少し間違っていて、とても長生きした猫は次のステップに行かなくちゃいけないのよ。」

明美:「次のステップ??」

ルナ:「そう、それはどの生き物にも言えているのよ、人間だってそうよ。ただ人間は長生きすればいいってもんじゃないけどね。」

明美:「う~~ん、、、よく分からない、、、だってそんなオカルトチックなことというか、、、そういうことに興味ないし・・・。」

ルナ:「別に信じる必要はないわよ。明美が信じようが信じまいが、私は自分のやるべきことをしに来たのよ。」

明美:「何?そのやるべきことって??」

ルナ:「次のステップに行くこと。」

ルナ:「私は猫の世界の仙人でもあるの、見習いだけどね。」

明美:「仙人て・・・」明美があっけにとられた顔でルナをみています。

ルナ:「・・・まぁいいわ、今夜は時間があるからゆっくり話すわ。」

そういうと、ルナはもう一度水を飲み始めたのでした。

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後悔しない生き方

久しぶりに来たデパ地下は相変わらず華やかで、たくさんの珍しい食材がおいてあります。

明美はなんだかウキウキしましたが、隣にいる“あれ”はさらに超ハイテンションになっています。

後ろから明美のノースリーブからでている白い二の腕を両方つかみ、首がちぎれるよ?と思うくらいキョロキョロしています。

「にゃぁ!!!」

ルナが叫んだと同時に明美の二の腕に激痛が走ります。

「痛いっ!!!」

「何をするのルナ??」

みると明美の二の腕はルナの爪の跡がくっきり・・・少し血がにじんでいました。

ルナは慌てて爪を引っ込めます。

「あっ!!ごめんなさい・・・明美・・・」

ルナがめずらしく?オロオロしています。

「どうしよう??血が出てる・・・どうしよう!!!」

ルナの顔色がミルミル悪くなっていきます。

そんなルナに明美は

「大丈夫よ!わざとじゃあるまいし・・・かすり傷よっ!心配しないで。」

ルナが興奮してツイツイ爪を出してしまったことを分かっているようにやさしく諭しました。

それでもルナの動揺は収まりません。

明美は

「じゃぁ、ちょっと上に行こう?」

と言うと、インフォメーションで薬が置いてある店を聞き、化粧品売り場の一角にある小さな薬品コーナーをみつけると、消毒用クリームを買ってその場で塗りました。

もう血も出ていません。

「地下に戻ろう、ルナは何が食べたいの??」

と笑顔で言うと、やっとルナはにっこり笑い、小さな声で

「お魚・・・できればカマスのようなあっさりしたのがいい。」

と言いました。

そんなルナを明美はかわいいな・・・と思いながら地下で夕食の食材を揃えます。

カマス2匹に、お惣菜を3品、おみそ汁の具はあさり♪

ルナはカマスが気になって仕方がない様子です。

デパートを出ると、赤々と燃えていた夕日が少し傾いています。

それでもまだまだ蒸し暑い気温。

会社を早退してからの時間が長かったような短かったような感覚を感じながらも、玄関先に到着するとすぐさまルナが猫に様変わりしました。

「え?ルナ?なんで猫なの??」

明美がそう尋ねると

“今”は人間でいるより猫のほうが楽なのよ。」

そういうと前足で顔を洗い、身体を舌でグルーミングするとソファに飛び乗り、眠りはじめました。

すごく疲れていたのか、すぐに深い眠りに入ったようで、パタパタしていた長いしっぽが動かなくなりました。

夕食にするには少し早いように感じた明美は、先ほどギャラリーで買ったポストカードを眺めていました。

絵を描くのがすきだったこと、好きが高じて大学生の時、独学や通信でデザインの勉強をしていたことも懐かしんでいました。

自分でデザインした小物を革や布で作っていたこともあったな、、、なんて思っていました。

子どものママゴトだと思って、大手メーカーに就職することを選んだけど、デザインしていたらどうなっていただろう??

そんなことを考えているとちょっと胸がキューっと苦しくなるのを感じました。

そんな自分を「後悔している部分もあるんだろうな・・・」と思い、

「でも後悔しない生き方なんてできないし・・・」

と言い聞かせて、胸の苦しさに少し苦が苦さを感じながらも、ポストカードを本棚に飾りました。

そして気持ちを切り替えるように

「さぁて夕食を作りましょ!」と自分に言うと、といっても魚を焼くぐらいだけど(だって料理苦手なんだもん・・・)と思いながらキッチンに立ちました。

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満たされた思い

ルナのはしゃぎっぷりは小さな女の子そのもの。

なんというか内面から若さ溢れるようにキラキラしています。

みていると明美はなんだか羨ましくなってきました。

(でも猫なんだよね?ルナって一体何者なんだろう??)

(そういえば・・・私・・・よくこのとんでもない状況を受け入れているわよね・・・)

(なんだか信じられないわ・・・・)

そんなことを思っていると、店員がフィッティングルームの前で脱ぎ散らかしたルナのSMチックな靴を整えながら

「あの、、、靴はどうされますか??」と聞いてきました。

明美はため息をつきながら

「この洋服に似合う靴はありますか?」とたずねると、茶色に赤いひもがアクセントのサンダルをもってきてくれました。

「ルナ、はいてみて」というと、一瞬目が「ゲゲゲの鬼太郎の猫娘」の爬虫類のような目になったかと思うと、「にゃん♪」と大きく一言。

明美は慌てて「しっぽ出しちゃダメよ!!」とルナに耳打ちすると、また人間の目に戻りました。

店員は不思議そうに二人をみています。

明美は薄ら笑いをうかべながら、

「素敵なサンダルですね~~~、やっぱりZA○Aさんはセンスが最高です!」

と早口に店員に話しかけ、いろいろごまかしている自分を滑稽だなと思いながら場をとりつくろっていました。

店を出るとルナがルンルンしながら3歩ほど前を歩いています。

ドロンジョの衣装を着ていなくても、このスタイルにこの美貌、、、多くの人がルナに注目します。

(なんだかこのアラフォー、ただでさえ色あせているのに、錆びついているようにみえるわ・・・)

と溜息をつきながら何気に横をみると小さなギャラリーが目に入りました。

案内板に書かれている素敵な女性の絵が気になって思わず立ち止まってしまいます。

(入りたいな、でもどうしよう??私、仕事さぼってこんなことをしていいのかな??)

明美はそんな思いになって迷っていました。

ルナは振り向きながら明美の様子を黙ってみています。

(止めておこう・・・・)

足が前に向きましたが、クルっと右にもどり、ギャラリーへと入っていきました。

たくさんの女性像が描かれています。

(なんて素敵なんだろう・・・)

(この表情・・・何を訴えているんだろう・・・・)

(綺麗・・・)

明美は夢中になってみています。

ルナは明美に話しかけることなく、見守るように少し離れて後ろから様子をみています。

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

明美はギャラリーで販売されていたポストカードを3枚購入して外に出るとびっくりしてしまいました。

まだ16時前だと思ったのに、夕日が赤々としているからです。

「あれ?今何時???」と腕時計をみると、17時すぎになっています。

「もしかして2時間以上いたの?あっという間で信じられない・・・」そう明美はつぶやきました。

(あ~~~でも本当に本当にすっごく楽しかった!)

明美は忘れたいた心の底から満たされるような感覚にしばらく身を委ね、その感動を味わっていました。

赤い夕陽ってこんなに美しかったんだと明美はなんだかとても幸せな気持ちになっていました。

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

「あっ!ルナは??あれルナどこ??」と我に返りキョロキョロすると10メートルぐらい離れたところで若い男と話しています。

「何しているの??」と明美が近づくきました。

20代前半であろうその男の出で立ちはチャラチャラし過ぎて、ダメ男オーラ全開です。

「誰この人?ルナちゃんの知り合い??」

とお前なんてお呼びじゃないぜといわんばかりの迷惑そうな顔をして言いました。

ルナは能天気に「この人がおいしいものを食べさせてくれるっていうのよ^^」と明美にいいます。

明美は

(さっきの感動した気持ちが吹っ飛ぶわ!)

とイラつきながら、ルナの腕をひっぱり、早足で歩き出しました。

「またねぇ~~~~~よしくん icon-heart-o ばいば~~~い♪」と手を振りながら笑っているルナ。

明美は一層早足でルナの腕を引っ張りながら、デパートの地下に入っていきました。

・・・

・・・

・・・

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誰もが運命の人と結ばれる鍵を持っている!猫仙人とバリキャリ明美のスピリチュアルレッスン9

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今ここ

明美があっけにとられていると、ルナは明美の手帳をヒョイッと奪い中をみています。

「ちょっと!ルナっっ!!」

明美が怒りながら手帳を取り返そうとしますが、ルナが明美を払いどけながら

「明美はこれ、やりたいことなの??」

「1.プロジェクトの流れの確認」

「2.中村くんへの指示」

「3.AA社に伝えること」

「4.〇〇〇〇〇〇〇〇〇」

と明美が手帳に書いていた“TO DOリスト”を読み上げて言いました。

「せっかく会社を早退してお天気もいいのに、なんで仕事のリストを書き出しているの??」

これはやらなくちゃいけないことなの?それともやりたいことなの??」

ルナは真顔で矢継ぎ早に質問してきました。

明美は何を言われているのかが理解できずに、ルナの顔をみています。

顔同士がくっつくんじゃないかと思うほどルナは明美の顔に近づくと、「これ今、やりたいことなの??」と再度聞いてきました。

明美はルナのあまりの迫力にしどろもどろになりながら

「やりたいことじゃないわよ!!やらなければいけないことよ!!」

とイライラしながら答えます。

「じゃぁ~~~さぁ~~しなきゃいけないの??」とルナ。

「・・・・・・そういうわけじゃないけど・・・・だってそれぐらいしか思いつかないし・・・・やりたいことなんてわからないわっ!」

そう答えることしかできなかった自分がなんだか悪いことをしているような気持ちになった明美は悲しそうにいいました。

「はぁ~~~~」と大きい溜息をついてルナはいいます。

「こんなにいいお天気なんだよ?ちょっとお散歩しない??」とルナは明美の手を引っ張りました。

あ!!と明美は我に返るとルナの手を振り払い

「こんな格好で恥ずかしくないわけ??一緒に歩けるわけないでしょ??」

と思わず大きな声で言ってしまった後、先ほどからずっと店員やお客に注目されていたことに気がつき、明美の顔が赤くなりました。

「だって他に着るもの持っていないんだもんっ!でも私の魅力が100%発揮できているでしょ??」とルナが笑いながらいいます。

明美はかなりイライラした口調で、でも小声でいいました。

「私の服でもなんでも着ればよかったでしょ??有り得ないっ!!!」と。

「え~~~~明美、やっさしいんだぁ~~♪でも悪いかな~~って思って」と明美のイライラなんて我関せずと言わんばかりにニッコリ。

(そこはルナの遠慮ポイントなんだ?意外すぎてびっくりだわ・・・・)

明美はそう思うと小さく溜息をついて「ルナ、あなたの洋服を買いに行くわよ。」とスタスタと歩きはじめました。

「ホント~~~??明美、待ってぇ~~~」とルナが明美の腕に絡んできます。

「ちょっとやめて!!」とルナの腕を思いっきり振り払うも、ルナはニコニコ。

カフェをでると、少し先にZA○Aのお店が見えたので、明美はそこに向かいました。

道行く人々がびっくりしながら明美たちをみています。

店に入るとまたも店員やお客が一斉に明美たちのほうをみます。

ルナはまわりをキョロキョロみながら目をキラキラ輝かせています。

明美は恥ずかしさを押し殺しながらルナに「どんな服がいいの??」と聞きました。

最初は店員も遠まきにみていましたが、「どういったものをお探しですか??」と声をかけてきました。

明美はルナの方みながら「あの子を今すぐに着替えさせたいんです。」と店員に助けを求めるようにいいました。

ルナはもう勝手にいろいろな服を手に取って、鏡に向かってルンルンに服を合わせています。

「とってもスタイルいいですね??モデルさんですか??」と店員。

「いやぁ、、、違いますが、、、。」苦笑いをしながら答える明美。

向こうで楽しそうに服を選んでいるルナをみて「確かにホントスタイルいいわよね・・・」とつぶやくと

「明美~~~~これがいい~~~」とルナが向こうから明美を呼びます。

ルナが選んだのは黄色の花柄のワンピース。

店員も「きっとすっごくお似合いですよ。」といい試着するように勧めます。

フィッティングルームから出てきたルナは嬉しそうに「どう??」とワンピースを左右にヒラヒラさせながら聞いてきました。

(お世辞抜きでものすごい似合うわ・・・・)

明美はそう思い「かわいいじゃない。」といいました。

・・・

・・・

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やりたいことリスト

部長室のドアの前に立つと、深呼吸を1回。

トントンとドアをノックします。

「はい、どうぞ。」という竹下の声がドアの内側から聞こえます。

明美は「失礼します」といいながら入っていきました。

竹下のほうをまっすぐに見ています。

「ぇぇ、、、どうした??高畠?」

ちょっとびっくりしている竹下に明美は

「先ほどは大変失礼なことを申し上げました。」

と深々と頭を下げました。

しばらくの沈黙のあと、竹下は明美の謝罪の言葉には何も言わずに

「体調は大丈夫か?」とだけをいいました。

竹下の優しさが心に響きます。

小さく笑顔を作り「はい、お蔭様で、、、」と答える明美。

明美が「今日は早退をさせていただこうと思いまして・・・」と切り出しました。

すると、竹下が「そんなに具合が悪いのか??」とものすごく動揺しながら聞き返してきます。

「いいえ、体調は良くなりましたが、今日は早退させていただこうと思って・・・」とにっこり笑うと、

「・・・あぁそうしたほうがいい。」と竹下は安心したように、ほっとした笑顔をみせて言いました。

二人の間に流れていた緊張した雰囲気が緩むのを明美も竹下も感じています。

竹下が「明美、チケット使うか??」とタクシーチケットを差し出しながら言いました。

「えっ?・・・・・」

・・・

・・・

・・・

「それ、会社の経費でしょ?そんなわけにはいきません!!」と明美はちょっと呆れたように答えます。

「俺の今年度の経費の範囲で大丈夫だから、これで家に帰れよ」という竹下に

「そんなこと出来ないわよ!」と笑顔でもう一度断り、部屋から出ようと竹下に挨拶をしたところ、

「明美は学生時代から俺なんかよりよっぽど優秀だった、昔も今も・・・」

「お前の部下たちは優秀だよ、、、それは明美だからだよ。」

そう唐突に言い出しました。

それを聞いた明美は少し顔をゆがめます。

「・・・・・・・・・・・」

思わず竹下の下の名前を言いそうになり、慌てて引っ込めました。

無言で会釈をするとクルっと後ろ向きになり、静かにドアまでいくと、もう一度竹下に深くお辞儀をし、部長室を後にしました。

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

(悟は部下たちをもっと信用したほうがいいってことを言っているんだろうな・・・)

何もアドバイスをしない竹下の言葉の言外の意味に気づくと、素直にそれについて明美は考えていました。

「あ~あ・・・」乾いた笑いとともに独り言をいうと、明美は会社のビルから出ました。

まだまだ暑い8月下旬。

日差しは強く日傘をさす女性も多く見受けられます。

こんな時間に帰ることはない明美は、この自由な時間をどう使えばいいのか分からずにいました。

「家に帰って寝る??」そう自分に問いかけてみると、なんとなくもったいないなという気持ちになります。

今まであまり感じたことのないなんだかウキウキした、はやる気持ちが身体の中を走っています。

「う~~ん、、、とりあえずカフェで“やることリスト”を作成しよう!」

相変わらずの生真面目さを結集したようなアイデアを、明美はあたかも素晴らしい閃きのように感じ、近くのカフェに入ることにしました。

珈琲を注文すると手帳を取り出し、やらなければいけないことを書き出しています。

するとそこへ

「あけみ~~~~~あ・け・みーーーーーーーー」と聞き覚えのある嫌な声が耳に飛び込んできました。

慌てて振り返ると

ドロンジョの格好をしたルナが立っていました。

あまりにも目立つその出で立ちに、店員もお客も注目。

日本人離れした足の長さが目立ちます。

「有り得ない・・・・」

明美はそうつぶやくと、(この現実は私の現実ではない)と頭の中で言い聞かせながらルナを見つめていました。

・・・

・・・

・・・

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